モノクロ写真家の日記:119
【なぜ、私は職人の皆さんを撮り続けるのか】
自分の意志を皆さんに伝えたいです。
私は、かれこれ4年前から「職人」の皆さんを撮影し続けています。
それは、子供の頃下町に住んでいて「懐かしかった」という思いが端緒になっています。
しかし、撮り続けるうちに、職人の方々とお話するようになり、それはひとつの「意志」として固まっていくようになりました。
昭和・平成・令和と時代が進むにつれて、便利で安価なものが私たちのまわりに溢れ出しました。中国製品の台頭です。いつの間にか、中国製品に囲まれて一般庶民は生活を送るようになりました。私も例外ではありません。
職人の皆さんとお話するなかで、皆さんはとても自分の腕に誇りをお持ちであることを知りました。鉄の性質、気温、同じ材質でも感触の違い・・・それらを見抜くことで、将来的にも長く使える製品を世に送りだしています。手だけで1/100の違いは分かるそうです。
神戸下町の下請け鉄工所から始まり、現在の工房に至るまで、私が拘るのは「手仕事による製品づくり」「それを作る者の誇り」です。いわゆる「職人魂」がとても美しく感じてなりません。
日本の物づくりは、「目で盗む」ものであり、ドイツのように「詳細なマニュアル」はありません。そして、ものづくりにたいする「心意気」「情熱」も大切になり、目に見えないものが肝心になります。それが伝統工芸の素晴らしさであると同時に、後継者不足につながっている事実も否定はできません。
私は写真家としては無名に近いです。しかし、発表の場を多く持つことにより、多くの方々に作品を通じて伝えていきたいです。
今後も精進を怠ることなく色々な工房と繋がっていきたいと思います。
皆様。ご支援、ご鞭撻の程、宜しくお願いいたします。
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