モノクロ写真家の日記:159
【長谷川佳江の個展とは?】
個展には、色々な作者の理由があると思います。
私にとって個展とは「にんじん」です。
大体半年程先に「にんじん」をぶら下げておいて、その日に向けて写真表現の向上を目指していきます。
私は今まで3年単位でテーマを決めて、個展を開催してきました。
新たな「工人の軌跡」が始まり、1年半になります。
撮影するだけで嬉しかった時期は過ぎ、切磋琢磨が求められます。
工房に行く前に、ある程度考えておいて現場で柔軟に判断します。
でも、よく考えると工芸士の皆さんも同じなんですよね。
日本人が日本製を使わない厳しい現在。
三木や小野へ撮影に行くと「昔は、近所中鍛冶屋だらけだった。」と聞きます。
生き残っていらっしゃるのは、彼らの切磋琢磨や努力があるからだと思います。
個展でも、工芸士の方が自分達のことを「絶滅危惧種」と仰ってました。
写真は「残す」事も意味としてはあるのですが、鉄工所の時同様、そこはあまり意識したくないです。「消える」が前提になりますから。
私の個展によって「兵庫県の工芸」に関心を抱いて下さる方が一人でも多くなる様、説得力のある作品展を目指します。
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