モノクロ写真家の日記:169
最近、芥川龍之介の最晩年作「歯車」を読みました。
この作品は、ある意味私小説だと思いました。神経が繊細になりすぎて、すぐに苛立ったり、逆に怖がったりを繰り返す主人公。生き地獄を味わう焦燥感が漂っていました。不眠に苦しみ、数種類の睡眠薬を精神病院で処方してもらっていました。本人もおそらくそうだったのでしょう。最後がたしか「誰か俺を殺してくれ。」みたいな文言だったと思います。
この「歯車」が出版される頃には、芥川龍之介はこの世にいませんでした。
私は、芥川先生のような天才でなくて良かった。
凡才でも、長生きしていつか素晴らしい作品を切り取れるようになりたいから。
しかしながら、芥川先生の才能には遠く及びませんが、私も精神は相当脆いです。
「歯車」に記載されている心の揺れや外界に対する怯えが痛い程分かります。
次回9月の個展は、東京での選抜制ギャラリー。通常のギャラリーの倍以上は高圧的で失礼な方々がいらっしゃいます。いわゆる「名物おじさん」です。選抜制ギャラリーを巡回し、思いつくまま根拠なき批判を繰り返し作家の鼻をへし折ることで、自分のプライドを守っている方々です。
人に聞いた噂ですが、男性の作家より女性の作家の方が多く被害をうけているようです。
弱い自分の身を守るため、「帰ってください。」は引き続き行います。
攻撃は最大の防御なり___私の好きな言葉です。
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