モノクロ写真家の日記:163
【~工人の軌跡~について】
私が、過去2度の個展を開催いたしました「工人の軌跡」について、お話しようかと思います。兵庫県内の工芸士の方々の工房へ繰り返し撮影に参りました。ようやく1年半が経過いたしました。
まず、前回の鉄工所シリーズとの大きな違いは「被写体の方々の更なる協力が必要」なことです。一日に一工房を訪問し、ひとり、多くても二人位の方を撮影するスタイルをとっています。鉄工所は承諾を得るのは大変ですが、一度馴染みになると撮りやすくなり、「ぶらっと立ち寄る」撮影方法でも、それなりに成り立ちました。
しかし、工芸士の方々はそうはいきません。対峙するような撮影方法なので、「これ以上進めない。」方が出てくるのです。彼らは繊細で、独自の世界観をお持ちです。そこを真剣に想像しながら撮影していく。つまり、距離感の近い中での撮影なんです。このシリーズでは、言葉に尽くせない程、被写体の皆様から気づきや学びを頂戴しています。有難いことです。大変感謝しております。
相手の懐に飛び込むためには、繰り返しの撮影が必要です。そして、その意味もしっかりとお伝えできなければなりません。
1年半通っても「まだまだ撮れていない。」と実感いたします。それでも、一歩ずつ進んでいくしかないのでしょうね。
工芸士の皆様。決して「惰性」や「習慣」では撮影しておりません。長谷川はこれからも表現力の向上を目指しますので、どうかご協力の程宜しくお願いいたします。
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